NordVPNレビュー

世界的に利用者の多いVPNサービス。実際に日常で使うとどう感じるかを検証した。

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セットアップと最初の印象

NordVPNのインストールは、今どきの主要なVPNアプリと同じ流れで進む。公式サイトまたは各プラットフォームのストアからアプリをダウンロードし、アカウントでログインしたら、あとはワンクリックで自動的に最適なサーバーへ接続するか、自分でサーバーを選ぶかを選択するだけだ。デスクトップとモバイルの主要OS向けアプリに加え、主要ブラウザ向けの拡張機能も用意されており、インターフェースは初心者でも迷わないようにシンプルに設計されている。中央に大きな接続ボタンが配置され、サーバー選択やプロトコルの詳細設定はメニューの奥にまとめられている。

初回セットアップで求められる作業はほとんどない。手動での設定なしに接続が完了するため、ITに詳しくない家族のためにセットアップする場合でも扱いやすい。もう少し踏み込んだ設定をしたい場合は、設定パネルからプロトコルの選択、キルスイッチのオン・オフ、スプリットトンネリング、そしてNordVPN独自のサーバーカテゴリ(難読化サーバー、二重ホップサーバー、P2P向けサーバーなど)にアクセスできる。上級者向けの機能でありながら、探せばすぐに見つかる場所に置かれているのは好印象だ。

日常的な使用感

普段使いの範囲では、接続してしまえばアプリはほとんど存在を意識させない。バックグラウンドで静かに動作し、ネットワークが切断されたりWi-Fiからモバイル回線に切り替わったりした際には自動的に再接続する。特定のサーバーの反応が遅いと感じたときにサーバーを切り替える操作も直感的だ。切り替え自体は数タップで完了するよう設計されているが、実際にどれだけ速く、どれだけ安定して感じられるかは、利用者自身のネットワーク環境やサーバーとの物理的な距離、接続したサーバーの混雑状況に大きく左右される。したがって、こちらの検証環境で得た体感をそのまま「速度の実力値」として断定的に提示することはしない――それはあなたの回線環境ではそのまま再現されない可能性が高いからだ。

キルスイッチ(VPN接続が予期せず切断された際に通信を遮断する機能)は、検証中は想定どおりに機能し、切断から再接続までの間に通信が漏れることはなかった。スプリットトンネリングは、銀行系アプリや自宅のストリーミング端末など特定のアプリだけをVPNの外側で動作させたい場合に有効だ。すべての通信をVPN経由にしてしまうと不都合が出る場面で選択肢を持てるのは実用的といえる。またNordVPNには、自分が所有する複数のデバイスを暗号化されたトンネルで直接つなぐメッシュネットワーキング機能もある。これは一般的な「IPアドレスを隠して通信を暗号化する」という用途とは性質の異なる機能であり、自宅の機器へのリモートアクセスもVPN選びの動機に含まれているなら知っておく価値がある。

プライバシーポリシーと管轄区域

NordVPNはいわゆる「Five Eyes」に代表される情報共有の枠組みに含まれない国を拠点としており、この点は同社自身のマーケティングでも強調されている。公式には、利用者を特定できる接続ログや通信内容のログは保持していないとしており、過去にはノーログ方針やアプリのセキュリティに関する第三者監査を委託したと表明している。ただし当編集部はその監査報告書の内容そのものを独自に検証したわけではないため、監査の具体的な結果や範囲、実施日を確認済みの事実としてこのページで断定することは避ける。この点が判断において重要な場合は、NordVPNが自社サイトからリンクしている監査報告書を直接確認し、当サイトを含むいかなる要約も鵜呑みにしないことをお勧めする。

料金体系

多くの民生用VPNと同様、NordVPNの料金は契約期間によって段階的に設定されており、長期契約を選ぶほど月あたりの実質負担は下がる仕組みになっている。パスワード管理やデータ漏えい監視といった付加機能を含む上位プランも用意されている。このページでは具体的な金額をあえて記載しない――料金は時期によって変わり、期間限定のキャンペーン価格も頻繁に入れ替わるため、確認済みで現在も正確な数字だけを載せたいと考えているからだ。実際の料金は、このページのリンクからNordVPN公式サイトの最新情報を確認してほしい。特に、初回契約期間が終了したあとの更新料金がいくらになるかは要チェックだ。長期的に支払う実質コストを左右するのはこの数字だからだ。

対応プラットフォームとデバイス

NordVPNは一般的な家庭で使われる主要プラットフォーム――Windows、macOS、Linux、iOS、Androidをカバーしており、VPNアプリを直接インストールできないスマートTVやゲーム機などのためにルーター単位での設定にも対応している。家庭内のすべての機器を個別にアプリ導入せずに保護したい場合は、ルーターレベルでの設定のほうが現実的な選択肢になることが多く、NordVPNはそのための手順も案内している。同時接続台数はプランによって異なり、時期によって変更されることもあるため、古い数字に頼らず現行プランの詳細を確認することをすすめる。

弱点・注意点

幅広い層に勧めやすいという強みは、裏を返せばプライバシー特化や低価格特化のプロバイダーのように、一つの軸に絞り込んだ強みを持たないということでもある。特定の管轄区域へのこだわりや、とにかく安い価格を最優先するなら、NordVPNは利便性と洗練度で勝負するタイプであり、そのどちらの軸でも突出した一番手というわけではない。高度な設定項目は用意されているものの、メイン画面から一段階、二段階奥まった場所にある。デフォルトの操作を単純に保つための設計としては妥当だが、そうした設定を頻繁にいじりたい人には留意点になる。

どんな人に向いているか

NordVPNは、幅広い種類のデバイスで「とりあえず動く」VPNを求めていて、細かいことを考えずに選べる多数のサーバー拠点や専用サーバーの種類が欲しい人に向いている。家族全員分をまとめて一つの有料VPNでカバーしたいが、自分がVPN管理の担当者になりたくはない、という人にとっては現実的な選択肢だ。管轄区域を軸にしたプライバシー最優先という、より狭いニーズが最優先事項なら、Proton VPNとの比較記事で違いを確認してほしい。似た機能構成でより低価格な選択肢と比べたいなら、NordVPNとPureVPNの比較も参考になる。

良かった点

  • デスクトップ・モバイル・ブラウザの主要プラットフォームに対応したアプリ
  • P2P、二重ホップ、難読化など専用サーバーを含む豊富なサーバー拠点
  • キルスイッチとスプリットトンネリングを備えた、初心者にも分かりやすいインターフェース
  • アプリを直接インストールできない機器向けのルーターレベル設定にも対応

改善してほしい点

  • 実質的な料金は契約期間の選び方に大きく左右され、初回期間終了後は上がる
  • 高度な設定項目はメイン画面から一段奥まった場所にある
  • プライバシー特化・低価格特化のように一つの軸に絞った強みを持つプロバイダーではない

よくある質問

NordVPNは複数のデバイスで同時に使えますか?

1つのアカウントで複数デバイスの同時接続に対応している。ただし上限台数はプランによって異なり、時期によって変更されることもあるため、現行プランのページで確認してほしい。

NordVPNはすべての動画配信サービスを解除できますか?

すべてのサービスに対して確実に使えるとは断言しない。どのサーバーでどのサービスが視聴できるかは、VPN側・配信サービス側の双方の事情で頻繁に変わる。ストリーミングが主な利用目的なら、無料トライアルや返金保証期間中に実際に使いたいサービスで試すことをすすめる。

NordVPNの「ノーログ」表明は第三者によって検証されていますか?

NordVPNは、方針やアプリのセキュリティに関する独立監査を委託したと表明している。当編集部はその報告書の内容を独自に検証したわけではないため、当サイトを含むいかなる要約も鵜呑みにせず、NordVPNが公開している監査報告書を直接確認することをすすめる。